インテージ:言語化支援+調査プロジェクト「リサーチのリサーチ」

株式会社インテージ

インテージ:言語化支援+調査プロジェクト「リサーチのリサーチ」

概要

黒鳥社のコンサルテーションプログラム「言語化 the DOJO」を利用して、インテージの言語化・リサーチ支援を行いました。第1フェーズではインテージの歴史を理解し、働く社員の考えをすくい上げるために、さまざまなセクションの方とディスカッションを実施。役員へのインタビューに始まり、若手社員のグループインタビュー、全社員向けの大規模アンケート(回答数は480)、さらにはアンケート結果を読み解くための社員向けのオンラインイベントを開催。インテージは何ものなのか、インテージだからできることとは何なのかを問い直しました。
第2フェーズでは、「そもそも調査・リサーチとはなんのために行っているものなのか」という根源的な問いについて考えるために、有志の社員でチームをつくり、マーケティングではない形で社会調査を行っている5人の有識者(北田暁大さん、筒井淳也さん、太郎丸博さん、久保明教さん、ヨッピーさん)に「リサーチのリサーチ」と題してインタビューを行いました。社会調査とは何なのか、リサーチはそもそも必要なのかなどさまざまな角度から質問を行い、新たな気づきを得ることができました。


成り立ち

黒鳥社はそれまでに手掛けた「ロフトワーク:新タグラインの策定(2020年)」や「うぶごえ:ミッションステートメントのアップデート(2021年)」などの支援プロセスをベースに「言語化 the DOJO」というコンサルテーションプログラムを開始しました。それに反応してくださったのがインテージでした。

インテージは、1960年に「社会調査研究所」として創業した歴史ある調査会社です。クライアントの課題を解決するために、リサーチという手法を用いて日々顧客をサポートをしていますが、近年「正解がない世の中」と言われるようになり、既存のビジネスだけに安住してはいけないのではないかと考えるようになったようです。旧社名にあるように、社会を調査し、その現状を記述したり、課題を提起したりする仕事を今こそやらなければならないのではないか。また、その活動にモチベーションを強く持てる個人も多いのではないか。このような考えから、「言語化 the DOJO」にご参加くださいました。

今回の言語化・リサーチ支援においては、インテージの歴史を理解し、いま働く社員の考えをすくい上げるために、さまざまなセクションの方とお会いし議論を深めました。役員の方へのインタビューに始まり、社員の方を集めたグループインタビューや、社員への大規模アンケート(回答数は480)、さらには社内向けのライブ配信も実施(100名以上が参加)。

そうして議論を重ねるうちに、「リサーチそのものを、リサーチしてみてはどうか」というアイデアに至り、社内向けのライブ配信後に集まった有志の社員の方々とともに、5人の有識者(北田暁大さん、筒井淳也さん、太郎丸博さん、久保明教さん、ヨッピーさん)にインタビューを行いました。このインタビューは調査手法の最適解を探すためではなく、「自分たちはこのままで良いのだろうか」という疑問を投げかけたり「とにかく色んな調査をやってみよう」と比較的自由に動ける機能を社内にもったりすることが重要なのでは、という考えから行ったものです。

有識者の方々からお話を聞くなかで、「調査」というものの現在地を測定し直すとともに、アカデミアと一般企業それぞれができることを明らかにしました。特に、社会学者の北田暁大さんは調査の歴史についての膨大な知見をお持ちで、「日本や世界で『調査』がどう根付いたのか」というお話は印象的でした。

最後に、インテージの野田淳さんについて言及せねばなりません。このプロジェクトでは、インタビューに参加いただいた社員の方々、お話を伺った5人の有識者など、たくさんの人から話を聞きましたが、得た情報をインテージのなかでどう位置づけていくべきかを野田さんは常に考え、プロジェクト全体を丁寧に進行してくださいました。野田さんとお話させていただく時間は、黒鳥社のプロジェクトメンバーにとって楽しみのひとつでもありました。