行政情報システム研究所(AIS):行政のDX推進に関する調査・レポート『GDX:行政府における理念と実践』制作
一般社団法人行政情報システム研究所(AIS)
概要
一般社団法人行政情報システム研究所が行った世界の行政DX・先進4カ国(イギリス、デンマーク、オーストラリア、タイ)を対象とした調査研究(デスクトップ調査、ヒアリング調査)のサポートおよび調査レポートの作成を担当しました。リサーチをまとめたハンドブックでは、リサーチを下敷きに、行政から民間まで声高に叫ばない人はいないバズワードとなった「DX」の解題に若林恵が挑みました。世界をリードする「行政DX推進部門」の最前線では、何が語られ、何が行われているのか?「DX」の理念・核心から実践までを解明しています。
成り立ち
なにかとお世話になっている増田睦子さん(当時、行政情報システム研究所所属)から、AIS(行政情報システム研究所)が制作する調査レポートへの協力を依頼され、黒鳥社では、イギリス、オーストラリア、デンマーク、タイの4カ国の行政府DXについて、デスクトップ調査と関係者インタビューを実施しました。
企画当初はインタビューの書き起こしをまとめ、レポート化する想定でしたが、インタビュー内容が面白かったことから若林が7万字分の文章をまとめ、『GDX:行政府における理念と実践』というタイトルの冊子として3,000部限定で制作。3,000部のうち1,000部は、普段より親しくさせていただいている書店にお願いして、無料配布していただいたほか、Web上にもPDFで無料公開されました。
この制作当時「DX」ということばが広く世を賑わせていましたが、取材でお話を聞いた誰もが、「行政DXとは、行政サービスを人間中心に転換すること」と一言で答えていたことが大きな衝撃でした。一言でいうととても簡単ですが、実行しようとすると極めて難しいもので、それはとりも直さず、これまでの行政システムが「人間中心」とは真逆のベクトルをもって構想されたものだから、というのが若林の論点でした。
それはこれまでオードリー・タン氏やクリスチャン・ベイソン氏のインタビューや『次世代ガバメント』といった本で説明されていたことですが、この冊子においては、それが海外の現場担当者の口から語られることで、よりリアリティが増しています。
冊子にはさほど含まれていませんが、別の取材でお伺いした日本の北國銀行のDXの事例が、本冊子の大きなインスピレーションにもなっています。